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プラスチックが生まれたのはいつ?
史上初のプラスチックは、1835年フランス人ルニューが生成した塩化ビニルとポリ塩化ビニルだと言われています。しかし、商品化されたのは1869年アメリカでの事です。それからナイロン(1939年)、ポリエチレンテレフタレート(1941年)、ポリプロピレン(1951年)他、様々なプラスチックが生まれました。私たちの生活において周りを見渡すと、プラスチックは家電製品や自動車の内装や建物の屋根、食料品の容器や包装袋、ありとあらゆるものに形を変え使用されています。今やプラスチックは、生活の中で今やなくてはならないものになっています。

樹脂の分類表(熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂)
プラスチックは大きく分けて2種類に分類されます。一つは加熱して溶かし、冷却して作る『熱可塑性樹脂』。もう一つは、液状の樹脂を加熱して硬化させ作る『熱硬化性樹脂』です。



熱可塑性樹脂とは
熱可塑性樹脂は温度が高くなると溶融し、冷やすと固化する特性を持っています。固化したものを温度が高くすると再び溶融するのでリサイクルが可能です。安価で生産できるので熱硬化性樹脂と比べて大量生産に向いています。
熱可塑性樹脂のうち、加工しやすく、熱変形温度が100℃未満で価格が比較的低い樹脂を『汎用プラスチック』と言います。『汎用プラスチック』は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)などです。
『エンジニアプラスチック(エンプラ)』は、引張り強さや耐衝撃性等が『汎用プラスチック』より強い樹脂で、耐熱性や強度が求められる用途に使用できるように開発されたプラスチックです。特徴として耐熱温度が100℃以上で機械的強度の高い樹脂です。 耐熱温度100℃~150℃未満の『汎用エンジニアリングプラスチック』は、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド樹脂(ナイロン)(PA)等です。そして耐熱温度が150℃を超える樹脂を『スーパーエンジニアリングプラスチック』と言います。スーパーエンジニアリングプラスチックは、 四フッ化エチレン樹脂(フッ素樹脂)(PTFE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)です。『スーパーエンジニアリングプラスチック』により高温度の箇所の用途迄仕様範囲が広がりました。

熱硬化性樹脂とは
熱硬化性樹脂とは、熱を加えると固化する特性を持ち、一定温度までは溶けて液体状態になりますが、一定温度を超えると化学反応を起こし樹脂が急速に固まる特性があります。熱可塑性樹脂と違い、一度形になった後は再加熱しても、元の液状には戻りません。熱硬化樹脂は、熱可塑樹脂と違い、単独の成型品として使用されることがなく、コンポジット材料や塗料、接着剤として使用されます。熱硬化性樹脂として、『エポキシ樹脂』、『不飽和ポリエステル樹脂』、『フェノール樹脂』があります。
塗料や接着材として
熱硬化性樹脂は、用途的には塗料や接着剤といった原材料が中心となります。その熱硬化性樹脂の中でも特に『エポキシ樹脂』は機能性が高く、特殊な塗料や接着剤としての多用されています。熱可塑性樹脂とは違い、単品の成形品として使用されることはほとんどなく、コンポジット材料や塗料、接着剤として使用されています。『エポキシ樹脂』は、電気絶縁性や耐水性、耐薬品性が高い特性があり、電化製品、電子機器のプリント基板や、メモリ、CPUといった電子部品等で使用されています。『エポキシ樹脂』は極小の電子回路や電子部品では電気を通さない部分を正確に区切る必要があり、『エポキシ樹脂』は電気を通さない部分のコーティング剤として効果を発揮します。
強固な電位断熱材料として
熱硬化性樹脂をベース(ポリマー)に、ガラス繊維や紙や布等を強化する基材として、加熱・加圧することで、コンポジット材として機械強度のある複合体を作ることができるます。ガラス繊維等を基材として複合体としたものを、GFRP(ガラス繊維強化/熱硬化性樹脂)積層材と呼び、電気絶縁性の高い構造材料となります。

GFRP(ガラス繊維強化/熱硬化性樹脂)積層材
《GFRP》積層材は中央電機製作所の「中核」となる切削材料です。
GFRP積層板とは、「電気絶縁及び構造材料」の中で、ベースポリマーを『熱硬化性樹脂』、基材(強化剤)をガラス繊維とし、加熱・加圧工程で生産されるコンポジット(複合)材です。樹脂は本来、加工が容易ですが強度が弱く変形しやすいので構造用材料としては適していません。そこで強度があり変形しにくいガラス繊維を基材(強化剤)として樹脂に複合させることで、軽量で強度の高い材料になります。またガラス基材以外には、紙/綿布/テトロンクロス/カーボンクロス/カーボン不織布などがあり、ベースポリマーの特性を加味した電気絶縁材料/構造材料/耐熱材料/断熱材料として使用されます。
※当社では下記のGFRP関連の取扱いはありません。
射出成形・ハンドレーアップ離型成形・スプレーアップ成形・SMCプレス成形

主要なコンポジット材の種別
ベースポリマー
基材
エポキシ樹脂
紙、ガラスクロス、カーボンクロス、ガラス不織布、ガラスチョップドストランドマット、テトロン布
不飽和ポリエステル樹脂
ガラスチョップドストランドマット
フェノール樹脂
紙、綿布、ガラスクロス